お知らせ
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作成日:2018/04/09
平成30年度税制改正 「小規模宅地等の特例の見直し」



  平成30年度税制改正法が3月28日、国会で可決され成立しました。

  資産課税分野では、「小規模宅地等の特例の見直し」が行わることになりました。


 
「小規模宅地等の特例」とは、相続開始直前に、被相続人等の事業の用や居住の用に供されていた宅地等について、一定の要件のもと、その課税価格を80%、もしくは50%減額するものです。節税効果が非常に高いため、多くの相続税申告において、この特例が適用されています。


 
ただその効果の大きさゆえか、本来の趣旨を逸脱した「悪用」が指摘されるようになっていました。

 

 「小規模宅地等の特例」は、相続開始前3年以内に「持ち家」に居住していない親族(家なき子)が、一定の条件のもと、被相続人の居住用宅地を取得すると適用できます。そこで、子供に持ち家を贈与したり、資産管理法人に持ち家を売却することで、(実態としては変わらずその家に住み続けているにも関わらず、)いわば強引に「家なき子」の状況を作り出して特例を適用する例が発生していました。これは、明らかに本来の制度趣旨から逸脱しています。

 本来の制度趣旨は「今は同居できずに別家屋に居住していたとしても、持ち家を持たない親族(家なき子)には、いずれは戻るだろう家として実家を確保してあげよう」というものでしょう。ですから、上記の例が制度趣旨から逸脱していることは明らかです。

 そのため、今回の改正が行われました。平成30年4月1日以後の相続等に適用されます。

 

持ち家に居住していない者に係る特定居住用宅地等の特例の対象者から、
 以下の者を除外
する

 ・相続開始前3年以内に、その者の3親等内の親族またはその者と特別の関係のある法人が所有する家屋に居住したことがある者

 

 ・相続開始時において居住の用に供していた家屋を過去に所有していたことがある者

 

 (平成30年3月31日時点で、現行要件を満たす場合は、32年3月31日までの相続等には現行要件を適用できる等の経過措置があります。ただし、平成30年3月31日時点で「家なき子」要件に該当していたとしても、その後持ち家を購入する等し、実際の相続時に現行要件を満たさない場合は適用を受けられません。)

  

**小規模宅地等の特例の見直しとして、「貸付事業用宅地等」の範囲から、相続開始前3年以内に貸付事業の用に供された宅地等を除外する改正も行われました。(ただし、相続開始前3年を超えて事業的規模で貸付事業を行っている場合は、従来通り特例の対象となります。)この改正も、平成30年4月1日以後の相続等から適用されます。

ただし、平成30年3月31日までに貸付を開始した場合は、3年以内に相続が生じても、これまで通り貸付事業用宅地等の対象となる経過措置があります。そのため、たとえばワンルームマンション1室のみの貸付であっても、30年4月1日より前から貸し付けているものであれば、この経過措置の対象となり、たとえ3年以内に相続が生じても貸付事業用宅地等の対象となります(経過措置には「事業的規模要件」はありません)。

お問合せ
岡田誠彦 税理士・行政書士事務所
〒160-0022
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TEL:03-6273-1395  
 
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