お知らせ
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作成日:2019/04/06
2019年度税制改正 「特別寄与料」〜相続税の扱い〜



    およそ40年ぶりの民法(相続法)改正により、「特別寄与料」の請求権制度が創設されました。この施行時期は2019年7月1日となりますが、それに伴い、税制改正にて「特別寄与料」の課税関係が定められました。
 

〇寄与とは

  
    これまでも、相続人に限り「寄与」という考え方はありました。故人に対して、生前、療養や看護を行っていた場合、一定の要件のもとに寄与分という形で相続財産を増やすような場合です。

 たとえば、相続人に長男と長女がいて、長女が故人の介護を献身的に行った場合に、その分、長男より相続財産を多くするといった考え方です。

  

〇特別寄与料で「長男の嫁」が報われる!?

 
   いわゆる長男の嫁は、義父母の介護を行うケースが少なくありません。しかし、どれほど献身的に介護を行ったとしても、相続人でないために寄与分を請求することはできませんでした。一方で、相続人である長女や次男などは、介護を全く行っていなかったとしても相続財産を取得できます。これを不公平だと指摘する声がありました。

そこで今回の民法改正により、「特別寄与料」の請求制度が創設され、長男の嫁が金銭を受け取れる環境が整備されました。具体的には、「相続人以外の親族が、被相続人に対して無償で療養看護その他の労務の提供をしたことにより、被相続人の財産の維持または増加について特別の寄与をした場合、相続人に対して特別寄与料の支払いを請求することができる」ようになったのです

 

つまり、長男の嫁は、相続人に対し特別寄与料という金銭を請求できるようになったわけです。(相続人が複数いる場合は、原則、それぞれの法定相続分に応じた金銭の請求ができます。)

  

〇「特別寄与料」〜課税関係は?〜(2019年度税制改正)

 
   特別寄与者(長男の嫁)のもらうことになった特別寄与料は、被相続人から遺贈により取得したものとみなされることになりました。つまり相続税が課税されます。

また、特別寄与料を払う相続人は、自身の相続税の課税価格から払った金額を控除することができます。

  
   なお、財産を取得した者が、被相続人の一親等の血族および配偶者以外の者である場合は、その相続税は2割加算されることになっています。よって、長男の嫁が支払うことになる相続税は「2割加算」されることになります。

 
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岡田誠彦 税理士・行政書士事務所
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